ICOM IC-7300
製品について
製品の特長
クラスを超越した圧巻の性能、リアルタイムスペクトラムスコープ
IC-7300のリアルタイムスペクトラムスコープは、分解能、スイープスピード、ダイナミックレンジ等、全てにおいて圧倒的なスペックを備えています。受信音を聞きながら空き周波数の確認やバンドコンディションの把握はもちろん、目的の信号に素早くアクセスすることが可能です。IC-7300なら、高性能なリアルタイムスペクトラムスコープを活かした高度な運用を楽しんでいただくことができます。
リアルタイムスペクトラムスコープ性能
ウォーターフォール表示にも対応
ウォーターフォール表示により、受信信号の履歴を時系列で確認したり、スペクトラムスコープだけでは判別し難い微弱な信号を視認したりすることが可能。さらに、スペクトラムスコープと同時に表示することで、バンドの状況、空き周波数の情報を、より詳細に知ることができます。高性能なスペクトラムスコープとウォーターフォール表示により、微弱なDX局の信号を見逃すことなく、IC-7300の信号性能を最大限に引き出し、交信の可能性を高めます。
オーディオスコープを搭載
IC-7851やIC-7700等の高級機にも搭載されているオーディオスコープを搭載。送受信音のFFTスコープ、オシロスコープの表示が可能です。相手局の送信波の変調特性や自局のマイクコンプレッサー効果確認、受信音のスペクトラム表示によるフィルター幅やノッチの特性を目で確認するなど、多彩に活用することができます。さらに、オシロスコープではCWのキーイング波形を視認することもできます。
デジタル技術の粋を結集した 「RFダイレクト・サンプリング方式」を採用
長年にわたり蓄積してきたデジタル技術とそのノウハウを結集し、アイコムが他社に先駆けて採用したのが、新開発のRFダイレクト・サンプリング方式です。このRFダイレクト・サンプリング方式では、RF信号を直接デジタル信号に変換することで、複雑なアナログ処理をFPGAで一括処理しています。これにより従来のダブルスーパーヘテロダイン方式よりも回路構成が大幅にシンプルになりました。アイコムが採用したRFダイレクト・サンプリング方式は、高性能なリアルタイムスペクトラムスコープ、優れた基本性能、クラスを超越するRMDR/送信波のフェーズノイズ特性を実現するなど、アマチュア無線機の新時代を担う技術です。
新機能「IP+」を搭載
RFダイレクト・サンプリング方式の性能をフルに引き出し、受信IMD性能を向上させる新機能「IP+」を搭載。強信号入力時にADコンバーターの動作を最適化し、IP3を向上させます。
クラスを超越するRMDR/フェーズノイズ特性を実現
大型HF機と比較すると、IC-7300のようなコンパクト機ではRMDRや送信波のフェーズノイズの特性についてはある程度妥協せざるを得ませんでした。しかし、RFダイレクト・サンプリング方式を採用することにより、IC-7300においても高級機並みに理想とする性能を追求することが可能となりました。その結果、従来の同クラスを超越するRMDR/送信波のフェーズノイズ特性を達成。下記比較図の通り、RMDRは97dB※(代表値)、送信波のフェーズノイズにおいてはIC-7200比で約15dB(1kHz離調時)の改善を実現しています。また、この優れたフェーズノイズ特性は送信のみな
らず受信のクオリティ向上にもつながっています。
※1kHz離調(受信周波数:14.2MHz、MODE:CW、IF BW:500Hz)
RMDRとは : RMDR(Reciprocal Mixing Dynamic Range)とは「受信回路のLOに付随するフェーズノイズにより近接
する強入力信号からのブロッキングの影響で、受信感度がどの程度悪化するか」の指標。数字が大きい程ブロッキングの影響が少ないことを示します。一般的にLOのフェーズノイズが小さいほど、この特性が優れています。
帯域外の信号を効率よく減衰させる15分割のBPF
IC-7300のBPF(バンドパスフィルター)は高級機に匹敵する15分割。RF段でバンド外の妨害信号を確実に減衰させます。しかも、High-Qコイルを使用することで、高級機レベルの特性を実現しています。
コンパクトなボディにオートアンテナチューナーを内蔵
幅240mm×高さ94mm×奥行238mmのコンパクトなボディにアンテナチューナーを内蔵しています。また、同調のとれるアンテナがない場合でも、非常時には送信が可能(送信出力など制限あり)になるチューニング拡張機能も新たに搭載しています。
操作性を向上させるマルチダイヤルを採用
マルチダイヤル&タッチにより、各種項目の設定操作が格段にスピーディになります。マルチダイヤルを押すと画面の右端にメニューを表示、そのメニューにタッチして項目を選択しマルチダイヤルを回してレベルを調整します。
タッチ操作対応の大型カラーTFT液晶ディスプレイを装備
IC-7300の4.3インチ大型カラーTFT液晶は、タッチ操作に対応しています。周波数やモードはもちろん、フィルターなど各種項目をスピーディに設定することができます。従来機では手間がかかっていたメモリーネーム等の入力も、タッチパネルのソフトキーを使えばストレスなく行えます。
FT8の運用に必要な項目の簡単設定を実現
FT8を、より快適に楽しんでいただくために、FT8の簡単設定を実現しました。[プリセット]画面からFT8を選ぶだけで、必要な項目を一括で設定することが可能です。さらに、FT8から通常モードに戻る際も[通常]を選ぶだけ。スムーズな切り替えが可能です。
また、プリセットの3~5には、新しいプリセット情報を書き込むことが可能。SSTVはもちろん、将来の新しいデジタルモードにも対応することができます。
また、プリセットの3~5には、新しいプリセット情報を書き込むことが可能。SSTVはもちろん、将来の新しいデジタルモードにも対応することができます。
聞き取やすい高音質を実現
大型のマグネットを備えた新しいスピーカーユニットを採用。さらにアルミダイキャストケースに音響を考慮したスピーカー専用のスペースを確保することで、大音量でも歪みの少ない聞き取りやすいクリアな音質を実現しています。
SDカードスロットを搭載
交信の録音、RTTYデコードのログ、表示画面のキャプチャー画像等をSDカードに保存することができます。また、ボイス送信用に音声の保存も可能。さらに無線機の設定も保存することができるので、オペレーターが代わってもSDカードを差し替えるだけで、各自がすぐに好みのセッティングで運用することができます。
PCリモートシャック対応&CI-Vによる電源コントロールが可能
リモート運用(遠隔操作)を可能にするIPリモートコントロールソフトウェアRS-BA1 Version 2
(オプション)に対応。また、CI-V/LANにより、IC-7300の電源ONとスタンバイ(待機状態)を切り替えることができます。
RS-BA1 Version 2(オプション)の主な特長
- LANやインターネット経由の遠隔操作と音声のハンドリングが可能。
- リアルタイムスペクトラムスコープやウォーターフォールの表示が可能。
- 混信除去機能やフィルターの設定など、ほとんどの機能を遠隔操作することが可能。
- 受信信号の強度やSWR値等の情報もパソコンモニター上に表示。
- パソコン間(PC側と無線機側)のネットワークトラブル時には送信を自動ストップ。
(RS-BA1 Version 2 は最新のファームにアップデートする必要があります)
発展性も抜群の充実したインターフェース
USB端子(CI-V、オーディオ、IF出力)、ALCジャック、SENDジャックなど、インターフェースが充実しています。リモート操作、リニアアンプの接続等、より高度な運用を求めるユーザーのニーズにも対応しています。
その他の機能
- 長時間の運用をサポートする大型のクーリングファン
- 送受信に対応した音声録再機能
- RTTYデコードログ機能
- 表示画面キャプチャー機能
- マルチメーター表示
- メモリーチャンネル101ch(通常メモリー99ch、スキャンエッジ2ch)
- マルチメーター表示
- CW受信リバース機能をはじめとした多彩なCW機能群 他
おもな付属品
- アップ/ダウンスイッチ付きハンドマイクロホン HM-219
- 電源ケーブル
- 予備ヒューズ 他
製品仕様
一般仕様
周波数範囲 | 受信周波数 | <動作範囲> | 30kHz~74.800MHz |
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<保証範囲> | 500kHz~29.9999MHz 50.000MHz~54.000MHz |
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送信周波数 | 1.800MHz~1.875MHz 1.9075MHz~1.9125MHz 3.500MHz~3.580MHz 3.599MHz~3.612MHz 3.662MHz~3.687MHz 3.702MHz~3.716MHz 3.745MHz~3.770MHz 3.791MHz~3.805MHz 7.000MHz~7.200MHz 10.100MHz~10.150MHz 14.000MHz~14.350MHz 18.068MHz~18.168MHz 21.000MHz~21.450MHz 24.890MHz~24.990MHz 28.000MHz~29.700MHz 50.000MHz~54.000MHz 4630kHz |
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モード | SSB、CW、RTTY、AM、FM | ||
メモリーチャンネル数 | 101ch (スプリット99ch+スキャンエッジ2ch) | ||
アンテナインピーダンス | 50Ω (不平衡) | ||
アンテナ端子 | M型1系統 | ||
電源電圧 | DC13.8V±15% | ||
接地方式 | マイナス接地 | ||
消費電流 | 受信時/0.9A (typ) 受信最大出力時/1.25A 送信時(100W時)/21.0A |
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使用温度範囲 | -10℃~+60℃ | ||
周波数安定度 | ±0.5ppm以内 (-10℃~+60℃) | ||
周波数分解能 | 最小1Hz | ||
外形寸法 | 240(W)×94(H)×238(D)mm (突起物を除く) | ||
重量 | 約4.2kg(オプション含まず) |
送信部
送信出力 | SSB/CW/RTTY/FM:100W~2W AM:25W~1W |
---|---|
変調方式 | SSB:数値演算型平衡変調 AM:数値演算型低電力変調 FM:数値演算型リアクタンス変調 |
スプリアス発射強度 | <スプリアス領域> 1.8~28MHz:-50dB以下 50MHz帯:-63dB以下 <帯域外領域> 1.8~28MHz:-40dB以下 50MHz帯:-60dB以下 |
搬送波抑圧比 | 50dB以上 |
不要側波帯抑圧比 | 50dB以上 |
マイクロホンインピーダンス | 600Ω |
受信部
受信方式 | ダイレクト・サンプリング スーパーヘテロダイン方式 | |||
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中間周波数 | 36kHz | |||
受信感度 (TYP) | SSB/CW (BW=2.4kHz) (10dB S/N時) |
1.8MHz~29.995MHz | -16dBμ (0.16μV) | (プリアンプ1 ON時) |
50MHz帯 | -18dBμ (0.13μV) | (プリアンプ2 ON時) | ||
AM (BW=6kHz) (10dB S/N時) | 0.5MHz~1.8MHz | +22dBμ (12.6μV) | (プリアンプ1 ON時) | |
1.8MHz~29.995MHz | +6dBμ (2.0μV) | (プリアンプ1 ON時) | ||
50MHz帯 | 0dBμ (1.0μV) | (プリアンプ2 ON時) | ||
FM (BW=15kHz) (12dB SINAD時) | 28.0MHz~29.7MHz | -6dBμ (0.50μV) | (プリアンプ1 ON時) | |
50MHz帯 | -12dBμ(0.25μV) | (プリアンプ2 ON時) | ||
スケルチ感度(Threshold) | SSB +15dBμ (5.6μV)以下 FM -10dBμ (0.3μV)以下 (HF帯/プリアンプ1 ON時、50MHz帯/プリアンプ2 ON時) |
|||
選択度 (TYP) SHARP時 | 2.4kHz以上/-6dB 3.4kHz以下/-40dB CW (BW=500Hz) 500Hz以上/-6dB 700Hz以下/-40dB RTTY (BW=500Hz) 500Hz以上/-6dB 800Hz以下/-40dB AM (BW=6kHz) 6.0kHz以上/-6dB 10kHz以下/-40dB FM (BW=15kHz) 12.0kHz以上/-6dB 22kHz以下/-40dB |
|||
スプリアス妨害比 | HF帯/70dB以上、50MHz帯/70dB以上 (ADC折り返し成分を除く) |
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オーディオ出力 | 2.5W以上 (8Ω負荷、1kHz、10%歪率時) | |||
オーディオインピーダンス | 8Ω |
※定格はJAIA(日本アマチュア無線機器工業会)測定法によります。
※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。